オウム真理教をモデルに、宗教による洗脳を描いた作品『わたしの魔境』。オウム真理教が大量殺人を犯した平成の時代とはうってかわり、令和の今オウム真理教のような新興宗教があったとしたら、それはどんな形で人々の心のすき間に入り込み、そして人生を崩壊していくのか…ごく身近にありそうで、しかし誰にも想像できない。そんな現代のリアルな宗教による洗脳を繊細に、そしてダイナミックに表現しています。
この記事では、実際の事件をモデルにした映画『わたしの魔境』についてご紹介します。
~もくじ~
『わたしの魔境』キャスト
『わたしの魔境』キャストは以下の通りです。
- 近藤里奈(元NMB48)
- 櫻井健斗
- 牛丸亮
- 山中アラタ
- 小原徳子
- 児玉拓郎
- 江藤あや
- 芦原健介
- 園山敬介
- 範田紗々
- 桝田幸希
『わたしの魔境』あらすじ
『わたしの魔境』は、YoutubeやTikTokを駆使して存在感を強めている新興宗教「ニルヴァーナ」と、それに翻弄され犯罪をも犯していく人々を描いた作品です。メガホンを取ったのは、医学系研究業界から映像広告業界に転身した異色の経歴の持ち主・天野友二朗監督。自分には無関係だと思ってしまうと危険な、宗教や洗脳という世界。リアルで繊細な本作のあらすじを見ていきましょう。
ブラック企業の新卒OLに起こった悲劇
主人公・湯川華は、騙されて新卒でマルチ商法の企業に入社してしまいます。上司から毎日怒鳴られる日々。疲れ果てた日々の中、Youtubeでとあるヨガサークルの紹介動画を目にします。その正体は、カルト宗教「ニルヴァーナ」でした。
地獄のような会社員生活で何も楽しみが見いだせず、あげくの果てに同僚から性暴力まで受けてしまった華は、ニルヴァーナに興味を持ち、次第にのめり込んでしまいます。
父親が奪還を試みるも…
華の父親がニルヴァーナについて調べ上げ「この宗教では何人もの行方不明者が出ている」と、娘を取り戻しに向かいますが、教団からは門前払い。
教団内で変死が相次ぐ
華の父親の調査通り、教団内では不審死が相次ぎます。あるときには、預金を全額お布施した教団員が変死する事故が起こり、教祖は「知られてはいけない」と死体を処分するよう教団員に指示。またあるときには、ニルヴァーナからの脱会を申し出た女性が謎の死を遂げ、死体はそのまま処分されました。
主人公は父親殺害を命じられるが…
そして、華は自身の父親を殺害するよう教祖から命じられます。なんと華の父親は、ニルヴァーナの脱会運動のリーダーとして大々的に活動していたのです。包丁を持って父親のいる自宅へ向かう華。そして、やっと帰って来てくれた娘を歓迎し「俺を殺して気が済むなら」と覚悟を決める父。果たして、華のとった行動とは…。
まとめ
本作は、誰もが追い詰められたり信頼できるものがなくなったりすると、宗教という逃げ道を生きがいにしてしまう可能性があるのだということが、現代を生きる私たちにも伝わりやすい内容になっています。新興宗教を描いた映画として話題の『星の子』 宗教のモデルについては公式発表がありませんが、『わたしの魔境』はあのオウム真理教をモデルにしただけあって、リアルで身近にすら感じてしまう不気味な映画に仕上がっていますよ。