2023年3月に開催されたWBCで2009年以来の世界一に輝き、日本全国に感動を与えた侍ジャパン。大谷翔平が大会MVPに輝く活躍を見せたり、4番村上宗隆が打撃大不振に苦しんだりと、好不調の差が大きな大会ともなりました。そんな大会の中で、普段通り(もしかするとそれ以上)の働きを見せてくれたのが福岡ソフトバンクホークスの周東佑京です。
準決勝のメキシコ戦でサヨナラのホームに滑り込んだ周東が時速33キロと原付バイク並みのスピードでダイヤモンドを駆け抜けたと話題となっています。
そこで今回は日本が誇る韋駄天周東佑京の伝説についてまとめていきます。
~もくじ~
周東佑京の伝説まとめ
幼少期:鬼ごっこでは無敵
昔足の速かった人にはよくある話ですが、周東もやはり幼少期から鬼ごっこで捕まった記憶がないそうです。また、本人は否定していますが、山で野ウサギを追い回していた、なんて逸話が出るほど幼少期から活発で足が速かったようです。
ちなみに、父親のいとこには陸上110メートルハードル元日本記録保持者で、1992年バルセロナ五輪に日本代表として出場した岩崎利彦氏がいるそうで、足の速さが遺伝している、というのも十分考えられそうですよね。
東京農業大学第二高校時代:衝撃の一塁到達タイムを記録
2013年4月に行われた春の群馬県大会で一塁到達タイム、3秒72を記録しました。このタイムがいかに凄いかというと、一般的に左打者は4秒を切れば俊足と言われ、2021年パ・リーグの最速は埼玉西武ライオンズの源田壮亮が記録した3秒80、マリナーズなどで活躍したイチローが平均3秒70~80とされています。それを上回るタイムを高校二年生になったばかりの高校生が記録している、と考えると凄さが伝わるのではないでしょうか。
東農大北海道オホーツク時代:セカンドゴロを内野安打に
東農大北海道オホーツクに進学した後も足の速さに磨きがかかりました。ある試合で、いい当たりのセカンドゴロになる「であろう」打球を放ちます。地面がデコボコしており、イレギュラーに対応するため、二塁手が待って捕って投げようとしたら、もう一塁ベースを駆け抜けていたそうです。そのスピードにあ然とした二塁手が、投げる姿勢のままその場に転げてしまうほどでした。
いくら打球を待って捕球したからと言って、いい当たりのセカンドゴロが内野安打になるなんて聞いたことがありませんよね。
プレミア12
2019年、プロ2年目の23歳で迎えたプレミア12のスーパーラウンド一回戦、オーストラリア戦で周東の名前は全国的に知られることになりました。
侍ジャパンは序盤からリードを許す苦しい展開も、しぶとく食らいつき、1点ビハインドで迎えた7回の攻撃に周東の出番が訪れます。
先頭の吉田正尚が安打で出塁すると、稲葉篤紀監督は代走に周東を起用します。その起用に応え、次打者・浅村栄斗の打席で二塁への盗塁を成功させます。浅村と次打者・松田宣浩が空振り三振で二死となりますが、続く源田壮亮の打席、3球目に三盗を決めました。直後の4球目に源田がセーフティースクイズを敢行。投手前に転がりますが、周東はタッチに来た投手をかいくぐるようにしてホームに滑り込み、足で1点をもぎ取りました。その後8回に勝ち越した侍ジャパンが勝利し、勢いそのままにプレミア12を制しました。
連続盗塁試合数の世界記録
2020年に13試合連続盗塁という世界新記録を打ち立てました。
10月16日から始まり30日までの13試合で、1試合3盗塁を決める試合もあったため、計15盗塁をマークしました。この記録は通算1065盗塁とシーズン106盗塁という途轍もない日本記録を持つ福本豊氏のNPB記録の11試合、バート・キャンパネリス氏の12試合を超える、まさに『レジェンド超え』の記録です。
WBC2023年
そして記憶に新しいのが2023年3月に行われたWBCの第5回大会です。
準決勝のメキシコ戦、1点ビハインドの9回無死一二塁の場面で奇しくも吉田正尚の代走として周東の出番が訪れます。
それまで打撃不振に苦しんでいた村上宗隆が放ったセンターオーバーのヒットで一塁から猛然とダイヤモンドを駆け抜け、見事サヨナラのホームを踏みました。このベースランニングが素晴らしく、二塁ランナーの大谷を追い抜きそうなほどのスピードでした。
数字で表すと、30.4フィート/秒(約9.3メートル/秒=33.48キロメートル/時)のスプリントスピードに達し、一塁からホームまで僅か10.28秒で、三塁からホームまでは3.08秒で到達しました。まさに原付バイク並みのスピードで駆け抜けたため、アメリカのアナリストも「止めるのは不可能だ」と感嘆するしかありませんでした。
最後に
足で多くの伝説を持つ周東佑京についてまとめてきました。幼少期の伝説はまだしも野球における伝説は先にも後にも出てこないかもしれない逸話ばかりですよね。まだ26歳と若く、これからもたくさんの伝説を残してくれることを期待しましょう!