日本から遠く離れたイラク共和国の地で、世界的な大寒波から逃れるため人工冬眠に入り500年という時代を越えた舞鶴太郎が500年後の世界で日本を目指し旅する姿を描いた『望郷太郎』。多くのファンを魅了して話題となっている『望郷太郎』ですが、打ち切りの噂も…。今回は『望郷太郎』は打ち切りになったのか、噂の理由などをご紹介します。
~もくじ~
『望郷太郎』とは
『望郷太郎』とは、「モーニング」2019年40号から掲載されている山田芳裕先生の作品で、赴任先のイラク共和国で世界的な大寒波から逃れるため人工冬眠に入った商社マンの主人公舞鶴太郎が社屋の地下に秘密裏に作っていたシェルターで、大寒波を逃れるために家族と共に人工冬眠し、目を覚ました文明が崩壊した500年後の世界で故郷の日本を目指して旅する姿を描いたSFサバイバル作品です。
大寒波から逃れるために家族と共に人工冬眠に入り、天候が回復するまでにひと月ほど冬眠する予定でしたが、太郎が目覚めると500年の歳月が経っていました。一緒に人工冬眠に入った妻の美佐子と息子の光太郎は、装置が停止してすでに亡くなっており絶望する太郎でしたが、せめて日本を見て死にたいと考え、日本を目指し旅立ちます。
『望郷太郎』打ち切りになったのか
さて、本題の『望郷太郎』は打ち切りになったのかについてですが、『望郷太郎』は打ち切りにはなっていませんし、完結していません。では、なぜ打ち切りの噂が流れたのか…ここからは『望郷太郎』に打ち切りの噂が流れた理由をご紹介します。
連載ペースの変動と休載
『望郷太郎』に打ち切りの噂が流れた理由の1つ目は、連載のペースや休載です。『望郷太郎』は連載中に何度も長期間の休載がありました。作者の山田芳裕先生の体調不良やクオリティ維持のための制作スケジュール調整など理由は様々ですが、長い時には数か月単位で新しいエピソードが出ないということもあったようです。こういった度重なる連載ペースの変動と休載によってファンを不安にさせてしまったようで、連載が止まる=打ち切りとなってしまい、打ち切りの噂にまで発展してしまったようでした。
物語の展開
『望郷太郎』に打ち切りの噂が流れた理由の2つ目は、物語の展開です。『望郷太郎』は500年の歳月が経った世界を旅するという壮大な世界観を描いた作品になっています。緻密な設定や細かい描写も多く、物語の展開が非常にゆっくりな印象があります。なかなか展開が進展しないことがもどかしく感じる読者も少なくなかったようで、進展しないことで根拠のない噂や憶測をする人が勝手に人気が落ちた、終わったと誤解し勘違いする人から打ち切りの噂になってしまった可能性もあるようでした。
エピソードごとの完結
『望郷太郎』に打ち切りの噂が流れた理由の3つ目は、エピソードごとに完結するスタイルです。『望郷太郎』の物語は、主人公・太郎が旅の途中で様々なコミュニティと出会い、そこで起こる問題を解決していくという、エピソードごとに区切りの良い構成が特徴的です。エピソード毎に一つの村や集団での出来事が解決し、太郎が次の目的地へ旅立つタイミングがあるため、物語が完結したと勘違いする人も多かったようです。旅は最終目的である日本への帰郷まで続くでしょうから勘違いしないようにしなければいけません。
過去作が短期で終わっている
『望郷太郎』に打ち切りの噂が流れた理由の4つ目は、山田芳裕先生の過去の作品の関係です。山田芳裕先生の過去の作品は、「へうげもの」など様々な作品があります。噂の原因の一つとなっているのが過去に連載されていた「度胸星」という作品です。この作品は物語が佳境に入ったところで未完のまま終了した作品で、過去の事例を知っているファンの一部が、「望郷太郎」も同じように途中で終わってしまうのではないかと感じ、打ち切りの噂になってしまったようでした。
過去に休載した理由
『望郷太郎』は、過去に作者の山田芳裕先生の体調不良やクオリティ維持のための制作スケジュール調整で休載したことがあります。クオリティ維持のための制作スケジュール調整というのは「ブロック連載方式」というもので、毎月コンスタントに連載されるのとは違ってブロック連載は、ある程度の話数を描き溜めて連続で掲載した後に数ヶ月間の長い休載期間を設けるというものです。
作者の山田芳裕先生はこの休載期間中も取材やネーム制作などの創作活動を続けており、物語の質を高く保つためにこの方式を取っているとも言われています。この形式を知らない読者は休載期間に入った時に連載が終わってしまったのではないかと勘違いしがちですが、『望郷太郎』ファンであれば掲載の準備期間であることを理解しておきましょう。
アニメ化の可能性について
壮大なSFストーリーやディストピア的な世界観の『望郷太郎』、アニメ化を期待しているファンも多いのではないでしょうか。山田芳裕先生は過去に「へうげもの」という作品でアニメ化したという実績もあります。
しかし、今のところ『望郷太郎』のアニメ化は発表されておらず、アニメ化に関する情報もないようでした。アニメ化にはいくつか課題もあるようで、原作の緻密な描写を忠実に再現するには高い制作技術が求められるということや『望郷太郎』の一般的な知名度が高くないことが大きな課題で、今後注目されて人気になったらアニメ化の可能性もあるのではないでしょうか。最近ではNetflixやAmazonプライムなどの配信プラットフォームがオリジナルアニメを制作するケースも増えてきたので、可能性がないこともないかもしれません。
まとめ
今回は『望郷太郎』は打ち切りになったのか、噂の理由や休載の理由、アニメ化の可能性についてご紹介しました。500年後の世界を旅するという壮大なSFストーリーで注目の『望郷太郎』、その世界観はより多くの人に見てもらいたい魅力があります。今の世の中ではちょっとしたことで大人気になることも少なくないので、今後『望郷太郎』がどう話題になっていくのか注目していきましょう。