週刊ヤングマガジンで2021年30号から2022年25号まで連載され人気となり、2023年にはテレビドラマ化もされた『犬と屑』、主人公の桜庭陽真が、幼馴染の犬飼秀司にコンプレックスを抱き、歪んだ愛憎劇が繰り広げられる物語です。そんな人気作の『犬と屑』ですが一部で打ち切りの噂もあったようでした。今回は『犬と屑』の打ち切りの噂の理由や完結しているのかについてご紹介します。
~もくじ~
『犬と屑』とは
『犬と屑(いぬとくず)』は、朝賀庵先生の漫画作品で週刊ヤングマガジンにて、2021年30号から2022年25号まで連載されました。羨望と嫉妬をテーマに、人間の愛憎を描いたラブサスペンスとなっており、主人公の桜庭陽真が、幼馴染の犬飼秀司にコンプレックスを抱き、歪んだ愛憎劇が繰り広げられます。読む者を引き込む緊張感あふれる展開と、複雑な人間関係が特徴的で、2023年にはテレビドラマ化もされ、毎日放送で全8話が放送され話題となりました。複雑な人間関係や予想を裏切るストーリー展開は、他のサスペンス作品にはない魅力があり、ついつい見入ってしまう作品となっています。
大まかなあらすじ
主人公の桜庭陽真は昔から完璧な幼馴染の犬飼秀司に対し強い劣等感を感じていました。ある日、修司の妻で学生時代に憧れていた麗華と再会し、秀司が亡くなっていることを知り、そして、麗華のお腹には子供がいるというのです。この再会から陽真の人生は一変していくこととなります。お腹の子の父親は誰なのか、修司が亡くなった理由は何なのか、陽真が修司の死を覚えていない理由は何なのか、過去と向き合いながら、自分自身の真実に迫る様子や複雑な人間関係、自分の記憶と向き合い修司の死の真相に近づく過程や麗華との関係などが描かれていきます。
『犬と屑』は打ち切りとなったのか
さて、本題の『犬と屑』は打ち切りとなったのかについてですが、『犬と屑』は週刊ヤングマガジンにて、2021年30号から2022年25号まで連載され、単行本は全5巻全41話と番外編2話で完結しており、打ち切りにはなっていません。それなのになぜ打ち切りの噂が流れたのでしょうか。ここからは打ち切りの噂が流れた理由をご紹介します。
物語後半の展開
1つ目の打ち切りの噂となった理由は、物語後半の展開です。序盤は登場人物の心情や過去が丁寧に描かれた印象がありました。しかし、中盤から終盤になってくるにつれて物語が駆け足で進んでいった印象を受けた人も多かったのではないでしょうか。それまでじっくりと描かれたストーリーが急に駆け足となり終わったことから打ち切りの噂が浮上したようでした。このことは意図的な完結なのか、連載継続が困難となって打ち切りとなったのか、読者間でも議論となっていたようです。
物語の短さ
2つ目の理由として挙げられているのが物語の短さです。原作、単行本は全5巻全41話、ドラマ化された作品も全8話と短く感じた人も多かったのではないでしょうか。一般的には単行本は全5巻全41話とだと、ドラマも通常10話から12話で完結するドラマが多い中で全8話という少ない印象だった為、打ち切りの噂が流れてしまったようでした。実際には完結しているのですが、先ほどもご紹介したように後半が駆け足だったことや他のドラマの平均話数からこういった打ち切りの憶測が飛び交ってしまったようです。
『犬と屑』の魅力
『犬と屑』の魅力は、キャラクターはもちろんのこと、予想できない展開で多くのファンを魅了したことでしょう。連載が始まった頃から登場キャラクターがとにかく可愛いことや先の展開が読めずハラハラするといった感想は多く上がっていました。テレビドラマ化されるとドラマをきっかけに作品を知った人はドラマの結末が気になったことから原作の漫画を全巻購入するなど、その作品に引かれた人も多かったようでした。ドラマ化は原作を知る人からもドラマと漫画の違いが楽しめたと好評で、ドラマを見て漫画を読み返した人も多かったようです。漫画がドラマ化されてこのように互いの作品が盛り上がるのは珍しく、それだけ『犬と屑』という作品に魅力があるのではないでしょうか。
ネタバレ注意!秀司の死因について
『犬と屑』で最大のポイントとも言える幼馴染である秀司の死因については物語を進めていて気になった方も多いのではないでしょうか。ここからは秀司の死因についてご紹介します。(※ネタバレしたくない方は読み飛ばしてください。)
秀司は事故死だった?
物語の序盤で事故死として扱われていた秀司の死因には、実は別の真実が隠されていました。物語のキーワードの一つだった陽真が秀司の死を覚えていなかったこと、それは最終回に近づくに連れて明らかになりました。ある日、秀司、麗香、陽真の3人が店で酒を飲んでいた際、秀司が酔っ払ってしまいます。酔いを醒ます為に麗香が水を買いに行っている間、秀司は麗香との結婚理由や陽真が麗香を好きだったことに気づいていたことを話し出し、それを聞いた陽真が怒り、秀司の肩を押してしまいます。その反動で秀司は転がっていたビンを踏み転倒、その際に頭を強く打ってそのまま亡くなっていたのです。
陽真が秀司の死を覚えていなかった理由
陽真が秀司の死を覚えていなかった理由、それは自らの行動が引き金となって幼馴染の秀司を死なせてしまったことにあったのです。陽真は自責の念に駆られ、自ら命を断とうとしましたが、麗香に引き止められ、麗香は陽真に対し、秀司の死は陽真のせいではないと伝えます。この結末には多くの読者が驚きと衝撃を受けたのではないでしょうか。秀司の死を通じて、人間関係の複雑さや感情のもつれが描かれ、『犬と屑』という作品の奥深さを感じたことでしょう。
まとめ
今回は『犬と屑』の打ち切りの噂の理由や完結しているのかについてご紹介しました。『犬と屑』は打ち切りにはなっておらず、しっかりと完結しているようでした。テレビドラマ化もされ、先の展開が読めずハラハラする作品の『犬と屑』、比較的短編となっている印象の作品でしたがその奥深さは確かなものでしっかりとテーマをもった作品に仕上がっています。興味があれば一度見てみてはいかがでしょうか。